失踪HOLIDAY

乙一は嫌いだった。
ブラックだから。

避けていた作家の一人に、乙一がいる。
好きではなかった。
中身がブラックだから。
読んでいて、怖いのだ。
だが、とある人に勧められて、読むことになった。
勿論、中身がブラックではないよね?と何度も確認したうえで。
本のタイトルは、「失踪HOLIDAY」。
内容は、短編「しあわせは子猫のかたち」と短編「失踪HOLIDAY」の二編。

この順番に掲載されているので、前者から読む。
1ページ目で、人が死んでるよ。
3ページ目で、「毎日カーテンを閉めて生活しよう」なんて言ってるよ。
3ページ目で、また人が死んでるよ。
その後の数ページで、読むのをやめてしまった。
そのタイトルにそぐわぬブラック振りである。
乙一ワールド全開である。

気を取り直して、「失踪HOLIDAY」に飛ぶ。
これは基本的に人は死なない。
#いや、一人死んでるけど、想定内。
始めのうちこそ成り上がり令嬢の冒険の様だが、終盤では一転、ミステリだった事が分かる。
この展開は見事だった。
ブラックでなくても、ちゃんとしたのが書けるじゃん!>乙一
北村薫「空飛ぶ馬」で感じたショックの再来だ。
これは、良し。

でも、他は読みません。
ブラックで無いことを確認できない限り。

失踪HOLIDAY” への4件のコメント

  1. お気に召したようでようございました。
    でもスニーカー文庫に収められている乙一は、
    これでもまだおとなしいほうなんだが!
    えーと、飛ばし読みでいいから
    『きみにしか聞こえない』と
    『さみしさの周波数』もどぞ。
    すぐ発掘できないから、「ここから読め!って」ページ指定できないんよ(笑)

  2. 追伸。
    ホリディは「HOLIDAY」♪←いぢわる
    それだけじゃなんなので・・・
    天道真『大誘拐』もいいぞ。
    昔映画化もされて、なかなかの出来でした。
    他にも何冊かあるけども・・・
    殺人ダメだとかなり狭まるー(^^;
    乙一ほど怖くないミステリもダメかしら。
    そこいらのラインを教えてねー

  3. >αさん
    HOLIDAYは後から気づいて直したんだけど、タイトルしか直してなくて、本文はそのままだったね。
    修正したよ。
    殺人がダメって訳ではないんだよね。
    それならミステリはほとんど読めなくなっちゃうし。
    どこがラインかは自分でも分からないけど、暗く沈んでいくのがダメ、なのかもしれない。たぶん。
    大誘拐も読んで見るよ。
    サンクス。

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