16年でF1史上最多の通算91勝や7度の年間総合王者。
偉大なるシューマッハーが、とうとう引退する。
そのラストラン、ブラジルGP。
総合優勝のためには、自身の優勝且つ、アロンソのポイント圏外が必要。
しかし、シューマッハは、アロンソのリタイアを当てにしたチャレンジはしない、と、既にギブアップ宣言をしていた。
いさぎよい判断である。
予選第二ラウンドで最速タイムを出しておきながら、第三ラウンドでまさかのトラブルで予選10位。
決勝レースも、9週目で4位まで見事な追い上げを見せながら、コースに落ちたクラッシュの破片を拾ったのか、左リアタイヤがパンクしてしまう。
この交換で、最下位まで落ちてしまう。
しかし、皇帝はあきらめない。
ルーキーのようなチャレンジブルな走りで怒涛の追い上げを見せる。
一台一台を豪快に抜いていく。
途中、トラブルがあったのか、一度抜いたフィジケラに明らかな速度差で抜き返されてしまう。
しかし次の瞬間には復活したのか、また抜き返す。
この週末、勝利の女神は何度彼に試練を与えるのだろう。
その試練を跳ね除け、70週目にはファステストラップも刻み、見事4位でチェッカーを受ける。
優勝こそならなかったものの、記憶に残るレースとなった。
ありがとう、シューマッハ。