違いません。

星々の舟を読み終えました。
やはり村山由佳は、村山由佳でした。

以下、想像です。
風を感じないのではなく、風を書かなかったのだと思う。
思い返してみれば、今までの作品は凝っていたと思う。
各章に歌が流れ、それがタイトルになっているもの。
オーストラリアのアニマルセラピーでのリハビリ。
ネイティブアメリカンの土地に入り、その社会で過ごす。
これまでの作品にも風景は、最高の舞台を与えていた。
そして、これまでも主題は人間であり、それを描く能力は最高の作家だと思う。

ただ、今回は舞台に力を与える代わりに、人を輝かせたのだ。
もともとその描画力は素晴らしいだけに、これがよい結果になっただけ。
そう、直木賞という形に。

その形には納得できるし、よかったと思う。
、、、それでも、いつもの方が好きだなぁ。

P.S.
一点、野菜を育てる畑には鴨川のオンショアの風だけは、快く吹いた。
これは、人に舞台が与えられたのではなく、人が舞台を見つけただけ
なので、先の考えからは変わっていないと思う。

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